2013年10月30日水曜日

【猛烈ネタバレ注意】映画 "Prisoners" 観賞!

Coucou !
Ici, l'hiver commence !! Il fait de plus en plus froid.. C'est chiant :(
Mais quand même je vais profiter de l'hiver d'ici alors !!!



さて、今日はワタシの中では大評価の映画を紹介したいと思います!
(けど日本では非公開なんだって〜〜!こんないい映画なのに!残念!!)


<Prisoners>


ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ジレンホール出演のサスペンス映画。ヒュー演じるケラーと友人の愛娘2人が誘拐されたところからストーリーが始まります。ケラーの友人宅の近くにあった怪しいキャンピングカーを目撃したことから、その持ち主のアレックス(ポール・ダノ)の身柄を拘束しますが、IQが10歳レベルしかない障害を持っている人で、二人の少女を誘拐する証拠が不十分なため、釈放をしてしまいます。
それを聞いたケラーは怒りに震え、娘を取り戻した一心でアレックスを監禁して、拷問を与えるまで発展してしまう。。しかし、本当の犯人は…?というお話。



ネタバレも含めて、ワタシが印象に残った点を挙げたいと思います。


・ 出演者の熱演ぶり

ヒュー・ジャックマンの演技は、すごいなと思いました。さすがです。愛娘が誘拐されている間、ヒュー演じるケラーは、人間としての精神が崩壊していきます。その中で、彼は真犯人を見つける手がかりを、少しずつ見つけていきます。その全体の流れから見られる彼の一つ一つの演技がすごい丁寧というか、圧巻でした。
彼が「容疑者」である障害をもったアレックスを拷問するシーンは、正直言ってすごい暴力的でした。娘のためなら容赦をしない。アレックスが彼とは見分けがつかないほど顔を腫らせて、それでも殴るのをやめず、それでも娘の居場所を言わない彼に「拷問部屋」を作り、そこに熱湯を流すためのシャワーを用意して、彼にかけてまで攻めるまで容赦ない。顔色一つかえずにそれを実行する冷酷さ。初めて彼にこんな寒気がしたというか、「怖い」と思いました。
そして、刑事のロキ演じるジェイク・ジレンホールも素晴らしかったと思いました。彼、いつもこういう系の役を演じるのか、と思うのはワタシだけ?w
彼は凄腕の刑事というにおいをだしてますね(においだけかいっ)。けど彼の洞察力や彼が行動にでることすべてに意味があって、それによって事件の謎の糸がするするとでてきます(まぁ映画なんだからそういうものなのかもしれないけど)。
結局ケラーの娘は死にかけた状態で発見されて、それをロキが病院に連れて行くシーンがあるんですけど、すごくかっこよかったです。彼も怪我をして意識がもうろうとしているのですが、その中で必死に車を走らせて彼女を抱えて病院に行く姿は、とても良かったです。ワタシもあんな風にお姫様だっこされた〜い❤←

そして、真犯人であるアレックスの「名目の」おば役(本当のおばではありません。詳細は以下に記述あり)ホリーの豹変ぶりに、きえええええ!って感じでしたw 彼女は車で隠してある地下への入り口に、ケラーを監禁してしまうのですが、その流れがホント計画的というか、すべてわかってたみたいなドヤ顔してて、アレックスの面倒をみるときの「優しい顔」とは打って変わって、めちゃくちゃ怖い顔してて、あれはワタシはトラウマっす。。。笑

その他の俳優陣も、いい味だしてます。個人的にケラーの息子役の男の子が良かったな。ケラーがアルコホリックに若干なっているときも、理性を守ろうと必死になっているけど、目には涙をためているところ。そういう複雑な混乱した気持ちを見事にあらわせているな〜と思って、「息子よ〜〜」って共感してしまいました。



・ 「考えさせられる」映画

「考えさせられる」とはどういうことかというと、最近の映画(特にハリウッド)はどかーん!とかずどーん!っていう爽快な映画しか見てないから、「つまんないな〜」と思っていました。その中で、このサスペンスが出たことは、すごい差別化になったと思いますし、観客をぐっと引きつけた映画だったと思います。この脚本を作った人は無名の方だとか。2年ほどじっくりかけてつくられた映画みたいですよ。
あと、ワタシが気になったのは、「キリスト教の含み」が入っている映画だなぁと思いました。まぁ、舞台が田舎町だから、キリスト教に敬虔なひとたちがそこにいるから、なのかもしれませんが。それぞれの登場人物に、それぞれの「果たすべきこと」を必死に果たそうとしていて、それをキリストへの祈りの言葉がよく言及されていました。どんなやつかは詳細には覚えていないけど。

結局、真犯人だったホリーは、夫は神父に「殺されるべき」として殺されてしまい、彼らの子どもは誘拐されたか、不慮の事故で死んでしまったか(そこはちょっと曖昧ですみません)で、「子どもを失った気持ちを同じ村のやつらにもあじあわせる」として、ずいぶん長い間子ども誘拐に従事していました。少女たちの誘拐犯の最初の容疑者であるアレックスは彼らの最初の誘拐犠牲者で、spiked drink(日本語で何て言うんだろう。毒薬みたいなかんじ)を長い間飲まされて障害を持ってしまったんです。そして、二人目の容疑者のボビー・テイラーも、彼らに誘拐された犠牲者で、彼は3週間ほどで逃げることができたのですが、そのショックで精神障害をおこしています。子ども時代のトラウマが精神障害として残っています。しかし彼も毒薬を飲まされているせいでそのことをはっきり覚えておらず、迷路を書いたり作ったり、子供服を集めたりして「子ども時代」を「取り戻そう」としていたように見えました。それが「変態」として扱われ、最後は拘置所で自殺をするという悲しい最期を迎えます。
それで、誘拐された少女二人もドラッグを打たれていて、助けられたときは意識がもうろうとしていますが、容疑者だった二人ほど重傷ではないと思います。
そして、ケラーは先ほど言及した通り、「娘を助けるためなら何でもする」という心をもっています。ストーリーの流れからして、あの拷問が、「目には目を」という感じでなにか「正当化」されている聞こえがあったようにも見えました。それはちょっと(^^; と思いますが。

要するに、ある意味みんな「犠牲者」なんです。その「犠牲者」の視点をうまく書かれていた映画だと思い、色々考えさせられました。正義ってひとつじゃないし、悪もひとつじゃない。


(ちなみに、最期のシーンは、少女2人は救出されていますが、ケラーはおばに庭の地下に監禁されたまま見つからない状態になっています。そして、ロキ刑事がおばの庭で捜索を中断しようとしたときに、ケラーの娘が落とした「笛」をつかって助けを求める音を聞く、というところで終了します。きっと彼も見つかる流れになるんだと思います。)



・ ある意味突っ込みどころ満載の映画!w

一緒にこの映画を見た友達は、「ぜったいあのおばの家だよ!」と最初から言い当ててましたw 彼女強者wwwwwwww
なぜなら、正直いって、おばの周りの状況にはつっこみをせざるを得ませんでしたね。まず、なぜキャンピングカーを持っているのか。アレックスが運転をしていて、その車が彼女の持ち主とわかった時点で「なんで?」と思わずにたんたんと調査を進めているロキ刑事には「あれ?」という感じでしたね。w あと、彼女の家の古ぼけた感じ、庭にあるふるくさーい車(しかし動く)が放置されていること、エトセトラ…を考えると、普通だったら「怪しい」と思う要素が満載でした。それに対して、友達と「あれは刑事かしこくないよね〜ははは」「いやいや映画だからこういう流れなんだよいー」という現実的皮肉たっぷりのツッコミがありました。w
あと、刑事の捜査がすべて「成果」を残します。w まさに正義のヒーローってかんじでしたw ここまで一人でうまくいくもんなのかしら、と思ったけど、まぁまぁ映画だから。そこは多めに見ようぜっと。

あと、二番目の容疑者であるボビーが、子ども服をいくつものスーツケースに入れて保管していたときに、なぜか豚の血をつけて、さらにスーツケースの中にへびをわんさか入れていたんですね。あれ、すげー気持悪かったw なんであんなことをわざわざしたのか?というのは最期まで解決しなかった問題でしたね。

また、映画の中でキーポイントとほのめかしているような「迷路」がたくさんでてきています。アレックスのおばの夫のネックレスに迷路が書かれている、ボビーの家には迷路が書かれている。ケラーがアレックスを拷問しているときに、アレックスが娘の居場所として「そこには迷路がある」と言っていました。まぁなんか繋がっているような?という曖昧なかんじで、あの迷路ネタがなくても結局はおばの家をケラーが見つけたんじゃないかなと思いました。
なぜなら、ケラーの友人の娘が先に発見されて、病院に療養していたときに、彼女がケラーに「あなたもいた」と言っていました。つまり、監禁されていたおばの家にケラーが何回か訪れたシーンがあって、それを彼女は聞いていたのです。そのときにケラーは「あの女の家だ!」と確信してかけつけるわけなのですが。そう考えると、「あれ、迷路つながってなくね?」と思ってしまったのであった。w まぁ色々な「含み」があるのかもしれませんが。

・・・他にも色々ありますが、ここでは省略させていただきまっすw


・ 結局 PRISONERS とは何なのか、誰なのか?

このようにして、すごい入り組んだ映画だったのですが、どの立場であっても、誰かが誰かを拘束し、拘束される"PRISONER"になっているのではないか、ということを映画で結論づけたかったのかなと個人的に思いました。ケラーのミッションを果たすためにアレックスを「とらえ」、おばがこどもたちとケラーを「とらえ」、ロキ刑事がケラーを「とらえ」(ケラーがアレックスを拷問したことがばれてしまうので、最期のシーンで、ロキがケラーを逮捕するかもしれないとほのめかしたことから)、このようにそれぞれのモットーで人を「とらえて」いるんです。
ただ、ありきたりな「正義が悪者を捕まえてハッピー」という単純な話でまとまらない、この映画の複雑さには、とても考えさせられましたし、とりあえずヒュージャックマンすげぇという感じでした(まとめ方違う



ちなみに、彼のちょい昔の映画「ニューヨークの恋人(Kate and Leopold)」もかなりおすすめです。ワタシはこの映画をきっかけに彼が大好きになりました❤







もりもり書いてたら夜中の1時に。。。明日もガコがあるので、このへんで。


À bientôt !!!






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